5月17日(土)東京は雨です☔️

こんにちは、坂口公太です。

日々、医療現場で奮闘している皆さん、あるいはどんな職場であっても、人間関係、特に上司との関係に悩んだり、組織の決定に不満を感じたりすることは少なからずあるのではないでしょうか。

「上がこうだから、何も変わらない」

「もっと上司が〇〇してくれれば、うまくいくのに」

そんな風に、つい他責にしてしまうこと、ありますよね。かくいう私も、若い頃はそうした不満を抱えた一人でした。

先日、似たような事例を相談されたので、私自身も振り返ってみました。

宮古島での原体験「Ask what you can do」

私がまだ医師として駆け出しの頃、沖縄の宮古島で働いていた時期があります。

そこでの経験は、私の医師としての姿勢、そして働く上での考え方に大きな影響を与えました。

当時の私は、情熱はありましたが、経験も浅く、時に理想と現実のギャップに直面しては、組織や上司に対して不満を感じることもありました。

そんな時、メンターであった上司から言われた言葉が、今も私の心に深く刻まれています。

「上司のせいにしていないか? 上司は確かに重要だ。でも、他責にしてはいけない。Ask what you can do.(君に何ができるか、それを問いなさい)」

この言葉は、当時の私にとって衝撃でした。環境や他者に変わることを期待するのではなく、まず自分自身がその状況に対して何ができるのかを考え、行動することの重要性を教えられました。

ボスマネジメントという視点

この経験は、いわゆる大学院で学ぶ「ボスマネジメント」の重要性にも繋がります。ボスマネジメントというと、何か上司を操作するような印象を持つかもしれませんが、そうではありません!!

それは、上司を理解し、良好な関係を築き、自分の能力を最大限に発揮して組織に貢献するための、主体的で建設的な働きかけだと私は考えています。

具体的には、

  • 上司の価値観や目標、課題を理解しようと努めること。
  • 期待されている役割を把握し、それに応えるための提案や行動をすること。
  • 適切なコミュニケーションを取り、信頼関係を構築すること。
  • 上司の強みを活かし、弱みを補うようなサポートを意識すること。

などが挙げられるでしょう。

もちろん、すべての上司が理想的であるとは限りません。

理不尽な要求や、明らかに間違った指示もあるかもしれません。しかし、そんな時でも「上司のせいだ」と思考停止してしまうのではなく、「この状況で自分に何ができるか?」と問い続ける姿勢が、自身の成長を促し、ひいては状況を少しでも良い方向に動かす力になると信じています。

他責から自責へ、そして共創へ

「Ask what you can do.」

この言葉は、他責の姿勢から自責の姿勢への転換を促すだけでなく、さらにその先の「共創」へと繋がる鍵だと感じています。自分が主体的に動くことで、周囲に影響を与え、上司をも巻き込んで、より良い医療、より良い職場環境を共に創り上げていくことができるのではないでしょうか。

私もまだまだ道半ばです。しかし、宮古島でのあの言葉を胸に、常に「自分に何ができるか」を問い続け、目の前の患者さん、そして地域医療のために貢献していきたいと考えています。

皆さんも、日々の業務の中で少し立ち止まり、「Ask what you can do.」と自問してみてはいかがでしょうか。きっと新しい視界が開けるはずです。

山口県萩にある松下村塾